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2017年02月17日

【論文紹介】空間的遺伝的分化における生態学的・地理学的影響の評価

2014年5月に東大で開いた景観遺伝学勉強会で私が担当した論文のレジュメです。


Quantifying the roles of ecology and geography in spatial genetic divergence
Wang,I.J., Glor,R.E. & Losos,J.B. (2013)
Ecological Letter 16: 175-182 doi: 10.1111/ele.12025

距離が離れていたら環境も異なることが多いため、IBDとIBE (Isolation-by -Environment)の貢献度を切り分けることは本質的に難しい
→IBDとIBEの貢献度を定量化する新しいSEM(Structural Equation Model:構造方程式モデル)

マテメソ
・Anolis属のトカゲ4島、17種。mtDNA上のいくつかの領域。3種はnDNAも。【Fig.1】
・2つを地理的距離とした →Resultsより:2つのコスト距離は強く相関していた(r2 > 0.65)。
  1.最小コスト距離 2.Circuit距離:2地点間の可能パスのコストの総和。
・環境変数は気象(11)、地形(8)、植生(4)、標高の24種類。

SEM:構造方程式モデル
・SEM:回帰分析やパス解析を下位モデルとして含む、第2世代の多変量解析モデル。
複数の変数同士の複雑な関係性を評価できる。
→地理的距離や環境変数などの大量の異なる変数の遺伝的距離への貢献度を評価できる。
他の変数から推定するような直接測定できない潜在的な変数も使える。
→地理的距離も環境変数も潜在的な変数として扱う。

【Fig.2】SEMにおけるパス図:□ 計測値、○ 潜在的な変数
地理的距離と環境類似度は標準化して共分散を計算
 →RのLavaanパッケージのmaximum –likelihood estimation (MLE)で計算
各パラメータはシミュレーションで推定 →AICでベストモデルを探す

手法の検証
・GDM(Generalized Dissimilarity Modeling)とvariation partitioning analysisで検証。
この2種は潜在的な変数を用いることができないので、予測変数をPCAで先に選択する。

結果
構造方程式モデル
・【Tab.1, Fig.3】17種中15種でIBDが有意に貢献しており、13種でIBEが有意に貢献していた。
11種で、IBE+IBDのモデルが、どちらか一方のモデルよりもAICは適したスコアを示した。
平均してIBDが36.3%、IBEが17.9%の説明力をもっていた。
Cuba・Puerto Rico:IBD>IBE、 Hipaniola:IBD手法の検証
・全体的にGDMもvariation partitioning analysisもSEMの結果を支持。
【Tab.2】nDNAとmtDNAの比較。
A.porcatus:nDNAとmtDNAそれぞれ単独で行っても結果は類似。
他の2種:nDNAは単独で解析できるほどの変異が無く、mtDNA単独とmtDNA+nDNAを比較してもほとんど違いは無かった。

考察
構造方程式モデル
・SEMによってIBDはIBEの約2倍の影響力があることがわかった。
・Hispaniolan:5種中4種でIBE > IBD。IBEの貢献度が最も高い(5種平均22.6%)
←環境の不均一性:大
・他3島間:環境類似度に違いは無し。各島のサンプリングサイトごとの環境変数でも有意な違いは無い
→IBEの貢献度が低くなった。

手法の検証
・検証に2手法でSEMの結果を支持。nDNAを含んでも支持 → SEMの頑健性
posted by bigwest at 16:36| Comment(0) | 雑文(研究関係)
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